インターネットをはじめとする情報通信技術の発達、経済のソフト化に伴い、人的資源管理が変化している。 第一に、時間と場所とにとらわれない働き方が進行している。とりわけアメリカの企業においては、在宅勤務などの普及が著しい。一方わが国では、技術的条件は整っていても、職場の風土や仕事の進め方(いわゆる集団主義)の面での制約から、働き方の柔軟化は後れている。 第二に、IT化・ソフト化に伴って個人の能力格差が増幅された形で成果に反映されるようになったため、それが処遇の格差をもたらす要因になっている。それは、わが国でも成果主義の普及という形で現れている。 第三に、IT化やソフト化に伴って、より質の高いモチベーションが要求されるようになり、それが動機づけの内容に影響を与えている。その中でもとくに注目されるのは、金銭的報酬より非金銭的な報酬、とりわけ個人の承認欲求に働きかける動機づけである。 企業その他の組織において行った実証研究の結果、顧客からの感謝や承認を従業員にフィードバックしたところ、モチベーションや組織・仕事に対するコミットメントなどが向上することが明らかになった。
|