研究課題
基盤研究(C)
東証一部・二部およびJASDAQ上場企業のうちから、2001〜2004年までの期間にわたって、株式所有比率ならびに会計データ・株価データが入手可能な339社をサンプルとして、株式所有構造と企業成果の関係について、クロスセクショナル回帰分析を行った。株式所有構造の違いをあらわす指標、すなわち4大株主所有比率・役員株式所有比率・金融機関株式所有比率・海外法人株式所有比率・個人持ち株比率のほか、(東洋経済新報社の定義による)浮動株比率と(FTSE社の定義による)浮動株比率に対し、企業成果を示す指標として、PFCR(株価キャッシュフロー比率)・PBR(株価純資産倍率)・トービンのQ・ROA・ROEを取り上げ、両変数群間の関連を調べた。当初採取したサンプル全体では、統計的に有意な結果は得られなかったので、企業設立来年数・資産規模・研究開発集約度によってコントロールし、サブサンプルに分けてみた結果、(1)一部・二部上場企業の間では、株式所有構造と企業成果の関係に統計的に有意な差が見られ、(2)個人持ち株比率・海外法人株式所有比率と(ROA・ROEなどの)収益性との問に関連が強く見られ、(3)浮動株比率とトービンのQ・ROA・ROEの問でも有意な関係が見出された。これらの実証結果については、2006年9月にベルリン自由大学で開催されたIFSAM第VIII回世界会議にて報告し、そのProceedingsにも収められている。さらに、浮動株比率等で示された株式所有構造の違いによって、M&A(企業合併・買収)を行う可能性ある企業を予測できるか否かについて、日本経営分析学会にて『M&Aと経営分析』のタイトルで口頭発表し、2006年度の年報にも掲載が承認済みである。
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年報『経営分析研究』 第23号
ページ: 2007-02 25-32
Proceedings of IFSAM VIIIth World Congress in Berlin Freie Universitaet Track 14, No.00166
ページ: 1-21