(1)文献・資料の収集と分析 CRMに関する国内外の学術書・学術論文、新聞・雑誌資料を広く収集し、理論的な論点の整理および実態の把握を行った。また必要に応じて、関連文献・資料を有する関係機関(大学、研究所、小売企業、学校、病院等)に赴き、資料の収集にあたった。 (2)インタビュー調査の実施 サービス産業におけるCRMの実態を把握し、詳細に検討するため、営利サービス業としての小売業(5社程度)と公共サービス業としての病院(5機関程度)を対象に、CRM活動で評価の高い企業(組織)にインタビュー調査を行った。 (3)インタビュー調査結果の検討 インタビューのフィールド・ノート、および文書化されたインタビュー・データを詳細に分析・検討し、CRMの実践を把握した。この際、先の文献・資料分析から得られた知見から、CRMにかかわる変数間の関係を論理的に捉えることに努めた。インタビュー調査のデータを解釈するに際しては、コンテンツ分析やグラウンデッド・セオリー・アプローチ等を活用することで、より妥当性の高い分析モデルの構築を図った。 (4)分析モデルの構築と仮説の設定 CRMの組織能力、戦略と成果に関する分析モデルを構築した。この分析モデルを基礎として、19年度にアンケート調査による実証分析を行うための作業仮説を設定した。基本的な分析モデルの視点は、「CRM戦略とCRMの成果の関係を明らかにし、そこでの組織能力の関連様式を解明すること」であった。 分析モデルの構築と仮説の設定に当たっては、研究代表者が主としてマーケティングの側面から、研究分担者が組織論の側面からそれぞれの知見を持ち寄り、統合的な分析モデルを構築した。
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