研究課題
基盤研究(C)
本研究は、CRM(顧客関係管理)と呼ばれるITを基盤とする経営手法に焦点を当て、流通企業の顧客関係構築戦略と顧客に関する組織学習について明らかにすることを目的とするものである。日英における流通企業への質問紙調査、及び英国の企業に関する事例分析及び、インタビュー調査を実施した。日本における流通企業を対象とする顧客関係構築戦略に関する調査については、2006年11月に896社を対象として、質問紙調査を実施し、308社からの回答を得た。得られた回答データについて、企業の関係性志向、IT利用の顧客情報統合と利用、さらに企業の市場における地位とパワーとを構成概念とする共分散構造分析を行った。結果として(1)企業の関係性志向がCRM実施に正の影響を与えること、(2)CRMの実施はロイヤルティ・マーケティングに正の影響を与えること、(3)関係性管理は市場での地位と共変動の関係にあること、(4)関係性管理は企業のパワーと共変動の関係にあること、(5)市場の地位は企業のパワーと相関すること、を結論として得た。しかしながら、市場での地位とパワーはCRM実施に正の影響を与えるという結果は検証できなかった。結論として、市場での地位とパワーはCRM実施と関連しつつ、CRM実施へと導き、さらにロイヤルティ・マーケティングへとつながるというプロセスが確認され、CRM戦略の前提条件と影響とが明らかになった。また、英国での調査においては、食品小売業のTescoと日用品雑貨チェーンのBootsを対象に、前者については英国での資料収集を中心に、後者についてはインタビュー調査を中心に実施した。調査の結果として、ITによる顧客関係管理システムの効果を最大限にすべく、組織的に情報を収集し、企業内で情報共有するしくみについて学習を重ねていることが明らかになった。
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