研究概要 |
卸売構造の変革について、以下のような3つの研究を行った。第1に、青果物のサプライチェーンの変革について、卸売市場を経由した「スポット取引」から特定業者との直接的な「契約取引」へのシフトの背景について、全国の中央卸売市場において、卸売業者、仲卸業者、市場管理者からの実態調査を行うと共に、そうした変化が各主体にどのような利得をもたらしているかゲーム理論によって定式化した論文The Evolution of Fresh Produce Supply Chain: From Spot Transactions to Contractsを査読付きの国際的な専門誌に公刊した。この研究は、The Institute for International Integration Studies(IIIS),Trinity College Dublinにおいてエディンバラ大学のJohn Dawson教授をはじめとする欧米研究者との共同研究プロジェクト(Research Frontiers in Wholesale Distribution)と連動する形で進めている。 第2に、日用雑貨・加工食品のサプライチェーンのモデル分析に関して、論文"Strategic Interaction in a Three-Level Supply Chain: Incentive for Vertical Coordination"の拡張を行った。 第3に、小売分野ではフランチャイズ契約が急速に進展しているため、フランチャイズ契約の構造に関する実証分析を行い、研究成果を国際学会で報告し学会報告集(refereed proceedings)に公刊されると共に、査読付きの国際ジャーナルへの投稿を行った。
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