研究課題/領域番号 |
18530334
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
清水 聡 明治学院大学, 経済学部, 教授 (40235643)
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研究分担者 |
高松 正昭 明治学院大学, 経済学部, 教授 (00062844)
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
鳥居 宏史 明治学院大学, 経済学部, 教授 (30139472)
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キーワード | 外資系企業 / オーストラリア企業 / インタビュー調査 |
研究概要 |
オーストラリアのシドニー近郊で展開するグローバル企業の戦略、ならびにオーストラリアで展開する日系企業の動向について、企業インタビューと専門家インタビューを行った。 まず日系企業がオーストラリアで展開する場合は、月並みだが「日本の経営のよさを、オーストラリアという環境でどう生かすのか」に尽きるようだ。たとえば日本酒「豪酒」を展開する豪酒では、日本人が考える以外の日本酒の飲み方や、コストを考えてワインのボトルを酒ビンに採用するなどの工夫をしていた。日本の経営学者で豪州で展開する日本企業を調査している岡本教授へのインタビューでも同様の話を聞くことは出来た。企業文化や自社の強みなどは一朝一夕には変えることが出来ない。外国で上手く企業を経営していくには、環境に単に適応するだけではなく、自社の強みの中のどれが適応できるのか、それを見極める能力が大事、ということだろう。 次にオーストラリア企業の日本との提携関係では、グローバル展開の中での日本の位置を常に考えていることが明らかになった。たとえばメディカルテクノロジーを売り物にしているMedical Therapies社の場合、シドニー大学で基礎研究を行い、応用研究は名古屋大学、金銭的スポンサーは日本の製薬メーカー、と、グローバルな知能収集と資金調達を行っている。また専門学校であるTAFEでは、時刻の強みである英語を移民だけではなく外国人に開放することで、収益を上げていた。両企業とも、日本のマーケットだけではなく、技術や資金を投入してシドニーで運営されており、今までのグローバル展開とは一味違った行動が明らかになった。
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