本研究は、商業集積の業績がなぜ異なるのか、その原因の究明をアフォーダンス理論から分析することを目的とした。その意義は、従来の立地条件説、アクセスコスト説に対して批判的検討を加えながら、これらの施設に対してマーケティング的な示唆を提供することである。この目的と意義を実現するために、各年度では下記の研究活動を行い、成果を出した。 18年度では、アフォーダンス理論の整理とマーケティング分野における応用の可能性を検討してきた。成果として「産業財企業のクリエイティビティについて-アフォーダンス理論の応用可能性への検討-」という論文を流通科学大学論集に公刊した。 19年度では、ケーススタディを中心に研究を展開した。竹村が広島・神戸・岐阜の大型ショッピングセンターの視察をし、王は台湾で好業績を上げた大型ショッピングモール「breeze center」のケース分析を行った。成果として「商業集積の業績に関するフレームワークの構築-台湾の事例を通じて-」という論文を流通科学論集に公刊した。 20年度では、今までの研究成果をまとめる作業を行った。そして、台湾では質問票調査を行った。412のサンプルが入手できて、その結果の分析が現在行われている。そして「『状況的行為としてのマーケティング』への試論」という論文を流通科学論集に公刊した。
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