平成18年度は、当研究課題に関する文献研究と並行して、現在IASBならびにFASBが進めているプロジェクトのうち当研究の対象である「収益認識」ならびに「概念フレームワーク」プロジェクトの進展状況について、海外におけるインタビュー調査等を行い、活動の結果収集しえた知見を論文等で公表した。 具体的な研究活動は、以下の通りである。 (1)2006年5月に日本のASBJ(東京)において開催されたFASBとASBJとの定期協議に出席し、FASBの提唱する新しい収益認識モデルについて意見交換を行った。 (2)2007年2月にアメリカFASB(ノーウォーク)において開催された概念フレームワーク(測定フェーズ)に関する円卓討論に出席し、公開討論を行った。 (3)2007年3月に科研費でロンドンに出張し、以下の4箇所においてインタビュー調査を実施した。 (1)3月14日、イギリス金融庁(FSA)のP.Sucher氏とS.Dioumanに面会し、現在IASBとFASBが進めている「収益認識」ならびに「概念フレームワーク」プロジェクトにおけるいわゆる全面時価会計指向に関する同機関の評価に関するインタビューを実施した。 (2)同日、通産省(DTI)のD.Tyrrall氏に面会し、同じくインタビューを実施した。その結果、イギリス国内でも両プロジェクトの方向性についてFSAとDTIの評価が全く異なるものであるという事実を確認することができた。 (3)3月15日には、ケンブリッジ大学のR.Baker氏を訪ね、同様のインタビューを行うとともに、同氏がAccounting Horizonに公表した関連論文に関する意見交換を行った。 (ニ)3月19日には、IASBを訪問し、収益認識プロジェクトの主任研究員H.Rees氏ならびに担当理事のT.Coop氏との意見交換を行った。
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