平成20年度は、国際会計基準審議会(lASB)および米国財務会計審議会(FASB)から平成20年10月と12月に相次いでに公表された「財務諸表の表示に関するディスカッション・ペーパー」ならびに「収益認識に関するディスカッション・ペーパー」について詳細な分析を行い、その知見を冊子にまとめた。また関連論文を公表した。 さらに、日本をはじめ米国において会計基準をめぐり平成20年度に新たに発生した新しい動きである、国際財務報告基準(lFRS)の国内基準化(アドプション)について、論文を執筆するとともに、米国に直接赴き、以下の実態調査を行った。 (1)3月16日、Massachusetts lnstitute of Technologyを訪問し、同大学のRoss Watts教授と以下の2つのテーマにつき2時間半の討議。Watts教授からは、本科研費研究テーマである「収益認識」の基本思考(下記の(2))について、辻山の用意したPPTと報告から有益な示唆を得たとの評価を得た。 (1)USにおけるlFRSアドプションに関する現状と将来見通し (2)2008年12月にlASB/FASBから公表された収益認識プロジェクト提案における正味のポジションに基づく収益認識モデルに関する見解 (2)3月18日、Columbia Universityを訪問し、Stephan Penman教授と以下の4つのテーマにつき2時間の討議。 (1)と(2)は上記と共通 (3)2008年10月にlASB/FASBから公表された財務諸表表示プロジェクト提案における新しい財務諸表の表示様式について(特にキャッシュ・フロー計算書の直接法強制、資産負債の区分方式、リサイクリングの可否について) (4)lASB/FASBの現行基準における「のれんの非償却」の是非について
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