研究課題
基盤研究(C)
本研究は、敵対的買収防衛策の導入が株価に及ぼす影響、セグメント情報の価値関連性、および、監査の品質がIPO市場の価格形成に及ぼす影響を検証した。これられの研究成果は、日本経営財務研究学会、国際会計研究学会、日本監査研究学会、およびディスクロージャー研究学会の各年次大会にて報告された。本研究では以下の事実が明らかになった:(1)2005-2006年に買収防衛策を導入した150社のサンプルで、経営者のエントレンチメント効果と株価のマイナス効果の両方が観測された、(2)1998-2005年の14,498社-年のサンプルの事業別と所在地別のセグメント情報の価値関連性を調査した結果、連結グループの範囲、事業の多角化、海外事業の活動を勘案して、市場が連結の利益と株主資本簿価を評価しており、また、海外利益と国内利益が株価と有意に関連性をもつ、(3)2000年から2004年に新規公開した665社のサンプルでは、監査人が財務報告の信頼性を保証するメカニズムはおおむね機能している。本研究の意義は、(1)買収防衛策め株価効果がコーポレートガバナンス・システムに依存することを明らかにした点、(2)株価べースの実証的証拠に基づき、連結財務諸表の企業戦略情報の有用性を検証した点、(3)公認会計士監査が経営者の規律付けを強化することを検証した点である。会計政策担当者は、会計規制が市場の価格形成、企業活動の透明性、市場の参入条件に及ぼす影響を考慮することが重要である。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)
須田一幸編『会計制度の設計』(白桃書房)
ページ: 66-88
Design of Accounting Institutions, edited by Kazuyuki Suda, Hakuto Shobo
現代監査 17号
ページ: 50-57
国際会計研究学会年報 2006年度
ページ: 61-74
日本会計研究学会スタディーグループ『会計社会の変容と市場の論理』(最終報告)
ページ: 73-84
Auditing No.17
Bulletin of Japanese Association for International Accounting Studies 2006
The final report of Study Group of Japanese Accounting Association, The Change of Accounting Society and Market Logic