1.本調査研究の対象である全羅北道扶安郡放射性廃棄物処理場建設に係る住民投票運動を支援した、中央政府の政策に強い影響力を発揮してきた有力市民団体の環境連合、緑色連合、参与連帯、文化連帯等のリーダーに対して、当該問題への解決過程に対してそれぞれの運動体が行った支援内容とその効果、ならびに運動結果に対する評価、当該運動がもつ地域社会構造に対する影響等についてインタビューを行い、問題解決過程における各運動団体の役割と位置づけを明らかにした(2006年9月6-9日ソウル)。また、これらの運動体が市民運動全体のなかで占める位置を画定するために、韓国の市民運動の現状と課題(全国レベル及び地域レベルの現状)についてのワークショップに参加し、補足調査を行った(2007年1月29-31日名古屋)。 2.扶安郡での運動で主要な役割を果たした自営業者(農民・漁民・一部商工自営業者)、郡議会議員等の地元住民リーダーに対して、問題解決過程への参加内容(活動内容)とその評価、及び活動参加が彼ら・彼女らの生活に対してもった意味、その後の活動内容と生活変化などについて聴き取り調査を行い(2007年2月20-26日全羅北道扶安郡)、問題解決への自発的・主体的な参加が彼ら・彼女らの生活行動・生活価値におよぼす意味を検討した。 3.日本側事例に関しては前年度に行った巻町の住民投票運動を遂行したリーダー・サブリーダー層に対して行った聴き取り調査結果の分析を行い、特に住民投票後に重点を絞って、住民投票運動が彼ら・彼女らの生活に対してもつ「効果」について検討を行った。
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