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2009 年度 実績報告書

日韓の問題解決型行動におけるソーシャル・キャピタル転換メカニズムの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530374
研究機関新潟大学

研究代表者

渡邊 登  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50250395)

キーワード住民投票 / 市民社会 / 公共圏 / social capital / 政治文化
研究概要

昨年度の面・邑単位のリーダー層等への聴き取り調査によって明らかになったのは、今回の扶安郡における放射性廃棄物処理場建設という問題を解決するプロセスで着目すべきは韓国において弱いと考えられていた地域社会の側のイニシアティブの強さであった。
本年度は昨年度に引き続いて邑・面単位の各種リーダー層、特に(複数の)面単位で選出されている群議会議員に詳細な聴き取り調査を行うことによって、このイニシアティブを生み出しているのが、市民的諸関係(橋渡し型ソーシャル・キャピタルbridging social capital)と共同体的諸関係(結束型のソーシャル・キャピタルbonding social capital)の協調・妥協・折り合い・対立関係であること、このイニシアティブは、後者の伝統的諸関係-従来は重視されてこなかった既存の秩序構造を支えてきた日常的社会関係-によって一定程度、規定されていることを明確にすることができた。また、さらに、この規定性は地区単位(面・邑単位)で偏差を持つこと、そしてその偏差はそれぞれの地区における階層構成、またその階層を基盤にした諸アクター間の布置連関よって異なることも明らかにした。
本調査結果は、日本事例の検討から明らかとなった「新しい政治文化」型と「地方」の「文法」を規定する「(新しい政治文化と伝統的諸関係)折り合い型文化」の並行存立・共存関係との共通性を強く示唆するものとなったが、本分析は共時的分析にとどまっており、例えばその歴史的経路性の相違点について等の検討=通時的分析が課題として残された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本の市民社会の構造-地域社会からの把握-2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺登
    • 雑誌名

      日本研究のフロンティア

      ページ: 85-101

  • [雑誌論文] 地域社会における新たな場の創造-公共圏構築への試行錯誤2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺登
    • 雑誌名

      スピーチコミュニケーション教育(日本コミュニケーション学会) 23

      ページ: 35-58

    • 査読あり
  • [学会発表] 巻町における原発建設計画に対して住民の意思表明過程で生み出されたものとは?(特別セッション1「巻町住民投票がなげかけたもの」)2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺登
    • 学会等名
      日本コミュニケーション学会
    • 発表場所
      新潟青陵大学
    • 年月日
      2009-06-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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