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2008 年度 実績報告書

シンボリック相互行為論における質的研究法の展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530375
研究機関福井大学

研究代表者

伊藤 勇  福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90176321)

キーワードシンボリック相互行為論 / 質的研究法 / 解釈主義
研究概要

研究の最終年度として3年間を総括する研究を行った。その要点は以下の2点である。
第1に,シンボリック相互行為論における質的研究の焦点は,「行為当事者にとっての意味を自然主義的に探る」ところにある。一般に,質的研究の主要な目的は,「人間行為の意味の理解」だと見なされるが,シンボリック相互行為論では,意味の当事者性を重視しそれに応じた探究方針をもつ点が特長である。その上で,近年では意味のメディア媒介性も強調され,カルチュラル・スタディーズなどの文化論・意味論を積極的に採り入れた研究プログラムを打ち出している。相互行為論の持ち味は,意味とシンボルを介した相互行為過程に密着したフィールド研究と社会分析だが,今日その意味やシンボルの大きな供給源・流通回路であるメディア状況への留意は不可欠になっている
第2に,質的研究の「リサーチ」としての質確保の点で,シンボリック相互行為論では,自然主義的探究の方法論が整備されている点が特長である。最近では特に,質的研究における従来の実証主義的規準に代わる代替規準の提案や適用が盛んになっており,その中で本研究では,従来の妥当性概念を抜本的に再構成し,コミュニケーションを通した合意や研究の社会的効果といった要素を加味した再概念化の議論に注目した。質的研究における代替的な評価規準の確立は,質的研究が盛んになった今日の日本でも極めて重要な課題になっていることを確認した。
以上の研究成果については,その一部を,質的インタビュー調査に焦点を合わせて論文化し,本年度の『福井大学教育地域科学部紀要』に発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 質的インタビュー調査の再概念化2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤 勇
    • 雑誌名

      福井大学教育地域科学部紀要・第III部・社会科学 第64号

      ページ: 1-31

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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