研究概要 |
本件究は,女性非正規労働者組合運動への参加と,労働組合側の女性非正規労働者に対する組織化等の戦略を合わせて考察することを目的とするものである。具体的には(1)「ナショナルセンターレベルでの労働組合の分析」,(2)「個別労組の分析」,(3)「丸子警報器労働組合の分析」及び「丸子警報器の女性非正規労働者の労働意識に関する分析」という3つのレベルでの分析を行い,今日進行しつつある,全般的な労働者の非正規化あるいは非正規の主流化,戦力化の中で,労働組合がいかに女性の非正規労働者を組織化しているのかを考察する。 本年度も,全労連および連合に関する最新資料を入手し,既存資料とあわせて,パート組織化をめぐるナショナルセクターの動きについての整理,分析を行った((1)レベル)。今年度の大きな動きとしては,連合が,2007年10に「非正規労働センター」を設置したことであり,非正規雇用者の賃金,労働条件の改善やネットワークづくりなどに取り組むことを決定したことである6JMIU(全日本金属情報機器労働組合)については,引き続き,JMIUが発行している「金属労働新聞」を収集分析すると共に,長野地方本部を訪問し,丸子警報器訴訟前後のJMIU長野地本の動きなどについてヒアリングを行った。また2008年3月には長野地本が毎年行っている,春闘のリレーストライキの参与観察を行い,JMIU単組が地方本部との連携のもとに行っているストライキについての調査を行った((2)レベル)。(3)「丸子警報器労働組合の分析]については,未入手であった丸子警報器労働組合の大会資料を入手するとともに,現在の丸子警報器支部の活動についてヒアリングと行った。なお前述の通り,丸子警報器支部が参加した長野地本リレーストライキの参与観察を行い,他支部との連携等についての調査を進めた。
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