本研究は、女性非正規労働者の組合運動への参加と、労働組合側の女性非正規労働者に関する運動方針と施策を合わせて考察することを通して、女性非正規労働者と労働組合運動との関わり方について明らかにしようとするものであり、以下の3つの柱を中心に展開している。第1の柱は「ナショナルセンターレベルでの労働組合の分析」で、連合、全労連、全労協などの、女性非正規労働者に関する運動方針とその施策を分析する。第2の柱は「個別労組の分析」であり、女性非正規労働者の運動が活発に行われ、かつその組織化に熱心に取り組んでいる個別組合のケーススタディを試みる。第3の柱として、1996年に、我が国、初のパート賃金差別訴訟に勝訴した「丸子警報器労働組合の分析」であり、訴訟の原告である女性非正規労働者の労働意識および組合活動に関する分析を行う。
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