研究課題/領域番号 |
18530390
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
前中 ひろみ 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (80381333)
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研究分担者 |
熊谷 嘉隆 国際教養大学, 国際教養学部, 教授 (00381335)
田口 洋美 東北芸術工科大学, 芸術学部, 教授 (70405950)
嶋崎 善章 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (40454772)
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キーワード | 野生動物 / 保護管理 / ツキノワグマ / 意識調査 |
研究概要 |
野生動物の保護管理における住民参加の果たす役割の検証を目的として、平成19年度は、岩手県においてツキノワグマを対象とした事例研究を行った。実施した具体的な調査は、岩手県における1)ツキノワグマによる農作物及び人身被害状況、狩猟・有害捕獲数などに関する情報収集、2)ツキノワグマ保護管理計画(第一次及び第二次案)と実施状況に関する調査、3)住民の意識調査、4)ツキノワグマに関する報道内容調査である。 1)岩手県におけるツキノワグマの生息域は北上川と馬淵川を挟んで、北上高地(推定生息平均個体数1267頭)と北奥羽(同448頭)の2つの地域がある。過去12年間の人身被害の発生件数は147件で約7割が北上高地で発生している。また、農業被害については、主にデントコーン、リンゴ、スイートコーンなどで発生しており、平成18年度の被害総額は4616万円となっている。 2)岩手県では、平成15年3月にツキノワグマ保護管理計画を策定し、毎年捕獲上限数を設定し狩猟数と有害捕獲数の調整や移動放獣などを行いつつ地域個体群の安定的な維持をめざしている。平成19年3月には、第2次保護管理計画案を発表した。 3)人とクマの共生を考えるうえでの問題を明らかにするために住民意識調査を実施した。対象とする都市部住民として盛岡市の都市部在住者から、山間部住民として盛岡市の山間部と遠野市と西和賀町在住者から各500名を無作為抽出し、秋田県で実施した際に使用したアンケート用紙に修正を加えたものを平成20年1月中旬に郵送で配布し回答用紙を回収した。回収した回答は、データ処理を行った上、データ入力を完了し分析の準備を整えた。 4)メディアによるツキノワグマの報道内容についての調査は、岩手県立図書館作成の岩手日報に掲載された記事の見出し索引を、昭和44年から平成15年までの34年間にわたり検索し記事を収集した。
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