19年度に実施した聞き取り調査および文献調査の結果をまとめるとともに、20年度も日本での情報収集に加え、シドニーとメルボルンに出かけ、聞き取り調査及び文献資料の渉猟に努めた。以下の2側面に焦点を当てて聞き取り調査及び資料収集を行った。 (1)映像コンテンツ普及の背景としてのメディア改革、 (2)映像コンテンツ普及の要因となる字幕に関する取り組み、 現地での文献および資料収集をするとともに、字幕活動を積極的に展開しているMAA(Media Access Australia)に聞き取り調査を行った。そこで明らかになったのは、海外での普及促進のため字幕を付与することが結果として聴覚障害者にも大きなメリットになることであった。オーストラリア政府はアクセス保障の観点から映像コンテンツに字幕付与を義務づけているが、テレビドラマについては外国人にもメリットがあることが判明した。一方、メルボルンを舞台にしたテレビドラマをはじめ、国産のテレビドラマの質が向上し、コンテンツ促進政策が一定の成果をあげていることが明らかになった。
|