研究概要 |
本年度の活動としては、研究会において線形混合モデル、およびtobitモデルの理解を深めることを中心に行った。 前者については、第一回、第二回の研究会においてLuke, DA., 2004,Multilevel Modeling, Sage.の輪読を行った。 また、第二回目の研究会においては、HLM、SAS、stataなどのソフトウェアを用いたモデルの分析の方法を理解することなどをモデルの理解と重ねて行った。そのなかで、線形混合モデルそれ自身、また、分散分析とそのモデルの関係などを理解し、その上で、分析の結果計算されたパラメータやその他の信頼性尺度の解釈などの問題、またソフトウェアのプログラミングの問題を議論した。 また、線形混合モデルの応用としては、中田による日本の全都道府県からの調査データを用いた健康の不平等についての業績が生まれた。特に、この分析においては、健康指標であるSF-36が用いられ、その下位尺度のいくつかについては、日本においても健康の不平等があることが実証された。 また、第三回目の研究会においては、特に、tobitモデルが扱われた。そのなかで、Breen, R.,1996,Regression Models : Censored, Sample Selected, or Truncated Data, Sage.を同様に輪読し、打ち切りのあるミッシングデータの分析について理解した。 その他に、これらのモデルをより深く理解すると共に、それらを啓蒙するための方策を探るために、ワシントン州立大学ヴァンクーヴァー校、およびオレゴン州立大学において、それぞれ佐野嘉栄助教授、およびA.エーコック教授に対してインタヴューを行った。
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