本年度の活動の概要としては、まず、数理社会学会機関誌『理論と方法』へ、本課題に関する特集を組み、研究代表者の中田の他、連携研究者である高田と村上が論文を掲載した。中田は、パネルデータを二次使用し、線形混合モデルを利用した潜在成長曲線モデルにより主観的健康感と退職との関係を明らかにした。高田は、tobitモデルを応用することによりミッシィングデータのバイアスを勘案した形で社会階層などの個人の属性と投票行動との因果関係を検証した。最後に、村上は、家計に関するパネルデータに対して、離散時間ロジットモデルによって個人の資産や社会階層と住宅取得の関係を明らかにした。 この雑誌への論文掲載のために、それほど研究会を開催することができなかったが、行った研究会においては、パネルデータを用いたプールドされたデータを用いた混合モデルと固定モデルに関する議論、また、それらを統計パッケージであるstataでどのように分析するかに関する議論が行われた。
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