本年度の研究目的を達成するために次の諸事項について調査、分析、研究活動を具体的に推進し、平成19年度に研究活動を予定する具体的な実施手法の究明を行い、具体的実施方法の策定を行った。 1.日本国内における調査活動;南米日系人の日本国内における雇用環境の実態を把握するため、南米日系人を対象に生活環境、言語問題、雇用問題、雇用における処遇、差別などについてアンケート調査を実施、2.コロンビア、ボリビア、パラグアイを訪問し、現地における日系社会の実態把握、出稼ぎの実態、出稼ぎにおける問題点と日系人社会の抱える諸問題についてヒアリング調査を行い、南米日系社会における社会の問題を究明した。調査結果より現地日系人社会では、若者の出稼ぎにより若者の空洞化が進み、日系人社会の縮小、少子化などを招きつつあり、日系社会の存亡にも関わる大きな社会問題として捉えられており、若者定着化について抜本的な対策が必要視されていることが分かった。この問題の解決には、本研究で提唱している南米日系人の社会的地位改善を狙いとし、優秀・有能な日系人を専門ノウハウを持つリーダーとして日本で育成し、育成した人材を基に日本と南米の連携システムを構築することで現地経済活性化の推進を図り、若者の現地雇用の促進と定着化施策の推進が必要性との結論に達した。本研究目的を達成させるための具体的な人材養成方策として日本企業で専門家とリーダー養成を実験的に推進するプログラムを考案し、その手法を実証的に実験する協力企業を開拓した。また、この養成プログラムについて、コロンビア国カリ及びパラグアイ国アスンシオンで説明会を行い、この実験プログラムに参加する人材を現地において募集することとした。平成18年度に考案した方策を基に平成19年度に具体的に実証研究を推進する。
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