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2008 年度 実績報告書

金属リサイクル業の地域展開とカドミウム鉱害の現況に関する環境社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530408
研究機関明治学院大学

研究代表者

藤川 賢  明治学院大学, 社会学部, 教授 (80308072)

キーワード社会学 / 環境社会学 / 金属リサイクル / カドミウム / 鉱害 / 公害 / 食品安全基準 / 地域環境
研究概要

本研究は、イタイイタイ病等の歴史を踏まえながら、(1)鉱業から金属リサイクルへという地域産業の展開、(2)イ病認定や食品安全基準等に関する被害救済と健康被害予防の経緯を基軸にカドミウム鉱害問題の現況について調査してきた。また、(3)イ病被害者団体とイ病加害源となった神岡鉱業が科学者や弁護団等の協力を得て継続してきた発生源対策が、鉱業における無公害企業の達成を目前にしていることもあり、関連の調査と考察を行った。
具体的な調査対象地は、富山神通川流域を中心に、カドミウム鉱害の経緯を持ち近年リサイクル業への転換が進む秋田県小坂、同じく、公害や廃棄物問題の歴史と金属リサイクルに関わるエコタウン事業が展開される北九州市と香川県豊島・直島であり、地域の関係者、住民、科学者、行政、企業などへの聴き取り調査を中心とした。
その成果は別記の論文等にまとめているが、重要と思われる発見として、3点を挙げたい。(1)鉱業から金属リサイクルへの転換はリストラ等と並行しており、旧鉱山・製錬所地域の企業と地域の関係に変化が見られる。そこでは、全国的な廃棄物・リサイクル問題と地方の地域再生とが関わり、新たな環境問題への懸念も否定できない。(2)関連して、神岡鉱業に見られる地域住民と企業の協力による発生源対策の重要性は今後より高まると考えられる。(3)カドミウムによる健康被害救済と予防については一定の進展が見られるものの、制度的な対応は遅く、かつ、限界を有している。とくに、低濃度のカドミウムによる腎臓障害については不十分だと考えられると同時に、土壌汚染問題等との関係で農業者への負担も少なくない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 地域における訴訟判決後の公害経験とその普遍性-イタイイタイ病住民運動の成果を中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      藤川 賢
    • 雑誌名

      明治学院大学社会学・社会福祉学研究 130

      ページ: 33-58

  • [雑誌論文] カドミウム問題の現在的展開-食品安全基準と金属リサイクルを中心に-2009

    • 著者名/発表者名
      藤川 賢, 渡辺 伸一
    • 雑誌名

      明治学院大学社会学・社会福祉学研究 131

      ページ: 197-224

  • [雑誌論文] 廃棄物問題における沈静化と再燃の関係-公害問題との関連と比較-2008

    • 著者名/発表者名
      藤川 賢
    • 雑誌名

      明治学院大学社会学・社会福祉学研究 129

      ページ: 177-212

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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