研究課題
多くのブラジル人は、1990年当初は一時的な滞在目的で来日しているとはいえ、ほとんどが日本滞在を延長している状態である。現在でも日本滞在が一時的なものであると意識している人もいるが、実態としては、日本滞在は長期化し、すでに永住過程に入っているケースが増加している。一時滞在という人の意識と滞在長期化という実態の間にみられるギャップは、ブラジル人の子どもたちが抱える問題を悪化させているといえる。在日ブラジル人の子どもたちの大多数は、家庭ではポルトガル語で育てられると同時に、その多くは日本の学校に通い、日本語で教育を受けている。その上、多くの子どもたちはブラジルよりも日本での生活が長く、教育も主に日本語で受けている。しかし、日本の学校には通わず、在日ブラジル人学校に通い、日本にいながらブラジルの教育制度の下、全てポルトガル語で教育を受けている子どもたちもいるのが現状である。現時点で、在日ブラジル人学校の役割として、ブラジルへの帰国を予定している家族の子どもの教育場として挙げられる。しかしながら、在日ブラジル人の現状、特に日本で育っている子どもたちのことを考えると、在日ブラジル人学校が現状のままで存続するのは難しくなる一方であると言える。それは、この子どもたちが日本に永住し、日本の大学への進学や就職をする場合、ポルトガル語でブラジルの教育のみを受けていれば、困難が多いことは予想されるからである。
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