韓国およびカナダにおけるボランティア活動に関する全国調査データに対して、両国からも研究協力者を得て、詳細な解析を試みた。当初予定していた1999年、2003年、2006年の韓国社会統計ソースデータ、そして、1997年、2000年、2004年のカナダNSGVPおよびCSGVPデータに加えて、1999年、2002年、2005年に実施された韓国キャラップ社による韓国全国ボランティアおよび寄付行為に関する調査(ただし、対象は20歳以上)のソースデータを韓国ボランティア協議会事務局長Lee Kanghyun博士による助力のもと入手することができた。主としてこれら3種類のデータにもとづき、1)ライフサイクルとボランティア活動、2)ボランティア回数と学び等の成果、3)ボランティア熱心層の分析、4)ボランティア活動を規定する要因分析、5)所得階層とボランティア6)社会資本とボランティア活動、7)ボランティア活動と地域性、8)若年層ボランティア活動の実態などについて分析を行い、ボランティア文化に関する国際比較調査を進展させることができた。2008年1月11日には、韓国から、Eun Ki-soo博士、Lee Kanghyun博士、カナダから、Agnes Meinhard博士(Michael H.Hall博士は、ペーパー提出のみ)、日本から村上徹也氏らを招聘し、国際シンポジウム「ボランティアリズムと教育-カナダ、韓国、そして、日本」を開催した。本シンポジウムについては、立命館大学ボランティアセンターより報告書を作成・発刊し、全国350箇所の関連機関・研究者・実践家に配布している。シンポジウム報告書においては、小澤を含む、招聘者の報告内容を掲載した他、関連資料として、「日本における青少年ボランティア政策の現在」(小澤論文)、韓国ボランティア活動基本法の全訳も掲載した。
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