この度の研究の目的は、最新の欧米の組織論や経済社会学(economic sociology)での理論研究及び欧米のビジネス・スクールでの企業戦略分野での実証研究を踏まえ、社会ネットワーク分析から市場の構造的なメカニズムの理論化への試みとして、実証研究を試みるものである。 3年目である平成20年度は、東京都大田区の産業集積における企業間ネットワークの分析では、計量的なネットワーク分析による下請関係の工業製品の生産における市場の構造分析を続けてきた。この生産市場の分析については、分析と理論化を進め、7月にはイタリア・ミラノ市で開催されたAcademy of International Business年次大会で、集積の生産市場の均衡について、Douglas R.White教授(University of California)との共同研究の成果を研究代表者が報告発表した。2007年に共著英文学術論文出版した後、その他共著の3本のワーキング・ペーパーを英文学術論文として出版するため、投稿準備の分析と執筆や修正と再投稿の作業を続けている。また、これらの成果は社会ネットワークからの組織研究として単著日本語叢書の一部として出版すべく現在執筆を進めている。
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