研究課題/領域番号 |
18530433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高橋 涼子 金沢大学, 法学部, 教授 (80262541)
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研究分担者 |
眞鍋 知子 金沢大学, 法学部, 助教授 (70320025)
石田 道彦 金沢大学, 法学部, 助教授 (10295016)
沢登 文治 南山大学, 法学部, 教授 (40247672)
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キーワード | 医療 / 福祉 / 権利擁護 / ネットワーク / NPO |
研究概要 |
1.医療における権利擁護(アドボカシー)に関して、研究協力者の石田、沢登からアメリカの法学や医療政策に関する資料収集のアドバイスと協力を受けつつ、アメリカ議会における患者の権利法案の動向に関する資料収集を行うとともに、患者の権利擁護者(アドボケイト)としての医療現場のコミュニケーションにおける医療専門職、特にコメディカル・スタッフの役割について検討した。その結果、マネジドケアの浸透が医療へのアクセスに対して深刻な影響を与えたことが問題視されているアメリカにおいて、患者と医師というアクター間の二項対立を超え、保険会社や雇用者企業という強力なアクターへの対抗が必要とされていること、コメディカル・スタッフが自らの専門性確立の戦略として職業倫理としてアドボカシーを取り込んできた動向を確認し、患者=医療サービス利用者のアドボケイトとは誰かを多元的に考察した。その成果に基づき、第57回関西社会学会大会シンポジウム2でパネリスト報告「患者のアドボカシーの視点から」を行うとともに、論文「福祉におけるアドボカシー」(『臨床看護』第32巻14号収載)、「患者のアドボカシーの視点から」(『フォーラム現代社会学』第6号収載)を執筆した。 2.ウィスコンシン州マディソン市にて医療・福祉のNPOに関するインタビュー調査と資料収集を行い、多様な権利擁護組織の歴史的背景や成立基盤、昨今のネットワーク化について情報を得た。また、非営利組織への自主的な市民参加について研究協力者の眞鍋より示唆を得た。その成果に基づき、第79回日本社会学会大会ポスターセッションにて「権利擁護NPOの形成と役割-アメリカ合衆国の事例から-」と題して報告を行った。また自主的な市民参加に関して分担執筆した『金沢市におけるコミュニティの実態と市民意識に関する調査分析』担当部分の執筆の参考とした。
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