研究課題/領域番号 |
18530433
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高橋 涼子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (80262541)
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研究分担者 |
眞鍋 知子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (70320025)
石田 道彦 金沢大学, 法学系, 教授 (10295016)
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キーワード | 医療 / 福祉 / 権利擁護 / アドボカシー / NPO / ネットワーク / アメリカ / ニューヨーク |
研究概要 |
医療・福祉領域の権利擁護及び権利擁護を目的とする活動組織について、障害をもつ人の権利擁護に焦点を当て、アメリカ合衆国の連邦レベルでの制度形成及びウィスコンシン州、ニューヨーク州における権利擁護NPOの活動事例に関する資料収集・調査を行い、以下の知見を得られた。 1. 施設収容中心から脱施設化を経て地域生活支援へと障害者施策が変化していくのと呼応して、権利擁護の法制度もその支援対象とプログラムを拡充し続けていること、こうした制度の進展には、各州の権利擁護組織とそのネットワークであるNational Disability Rights Networkが役割を果たしていることが確認できた。 2. 一方、ウィスコンシン州とニューヨーク州の権利擁護組織の形成過程や活動形態を比較すると、人口構成、地理的条件、医療・福祉政策の傾向といった条件により、州ごとの独自の展開をしており、安易な一般化はできないことが確認された。 3. 権利擁護組織やそのネットワークは、当事者本人、仲間、家族、専門家、市民といった多様な担い手によって構成されており、資金や支援者の獲得に関して組織間で競争が起こると同時に、それぞれに掲げる課題や活動スタイルによって、多様な立場の参加者それぞれの当事者性を動員することに成功していると考えられる。 4. こうした権利擁護組織の制度的基盤は日本においても取り入れられる点が多い一方、活動スタイルについては、政策形成方法やプロセスの違いを考慮しなければならないと考えられる。
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