研究課題
基盤研究(C)
目的本研究の目的は、これまでの社会政策研究において議論されてきたアジアの福祉国家比較研究の課題と問題点を明らかにするとともに、現地の研究者のネットワークとの共同作業を通じて、研究成果におけるタイムラグを減らし、急速な経済発展と少子高齢化などの社会的変動が起きている東アジア諸国め福祉政策について最新め情報を収集し・分析し、今後の東アジア諸国を含めた比較研究のための基本的な資料を整え、今後の国際比較研究に貢献することにあった。成果(1)東アジア諸国における福祉システムの確立・変容渦程に関する文献研究を進め、東アジア福祉国家比較のフレームワークを確定した。東アジア福祉国家比較のレジーム研究については、従来のエスピン・アンデルセシら西欧ベースのアプローチをそのまま当てはめるのではなく、近代化の時間差の概念を導入することが有益であること、インフォーマル、ボランタリーセクターなども含めた福祉多元主義に焦点を当てたアプローチが有益であること、福祉国家の規制面について分析することが必要であることなどの重要性が確認された。(2)今後の東アジア福祉国家の比較研究には脱商品化などに代わる指標が必要となっている。そこで、オルタナティブのーつとして、近年、ヨーロッパにおいて注目されている「ソーシャル・クオリティ・アプローチ」の可能性を検討した。「ソーシャル・クオリティ・アプローチ」は、「個人の生活の質」に加えて、「社会の質」と「社会権」の2つにも着眼し、「指標化した社会の質」を比較研究に導入するものである。給付面や制度面だけでなく「社会的包摂」や「社会的エンパワーメント」の状況を比較する上で有益であることが、各国研究者との協議作業等によって確認することができた。東アジアを包括するSQの指標化作業等は、今後の福祉国家比較研究にとって重要な研究および政策課題となっている。
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