研究課題/領域番号 |
18530443
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
鬼崎 信好 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (90148958)
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研究分担者 |
本郷 秀和 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (90405556)
山田 眞知子 北翔大学, 北方圏学術情報センター, 研究員 (10347809)
小尾 義則 梅花女子大学, 現代人間学部, 教授 (90259581)
宮内 寿彦 文教学院大学, 人間学部, 講師 (00406555)
松岡 佐智 福岡県立大学, 人間社会学部, 助手 (00405557)
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キーワード | 介護 / サービス評価 / 評価システム / 評価手法 / 要介護高齢者 |
研究概要 |
2007(平成19)年度の研究の取組みは、2006(平成18)年度に本研究費を頂き実施した介護サービス評価に関する調査結果の整理と調査研究報告書の作成作業である。調査研究報告書の内容としては、(1)わが国の主要都市(最終的に北海道、福岡県を抽出した)の介護サービス評価主体の現状を整理し、(2)福岡県福岡市における介護サービス評価機関のケーススタディから、介護サービス評価の有効性と基本的課題を明らかにし、(3)デンマークおよびフィンランドの高齢者入所施設の現状把握を行っている(デンマークについては、介護福祉従事者の概要も紹介している)。特に福岡市においては、(1)介護サービス評価システムの概要を紹介し、(2)設置主体からみた介護サービス評価結果の考察(これは、はじめに介護サービスの評価を受けた設置主体を「会社」「社会福祉法人」「医療法人」「その他(NPO法人等)」というよう法人格の違いによって分類し、更にi.第三者評価、ii.事業者評価、iii.利用者評価の三者の評価結果の傾向の把握を試みたものである。)を試みた。加えて、初回(1回目)から更新(2回目)まで介護サービスの第三者評価を受けた事業所についても、その評価結果の変化を整理している(設置主体別に更新を受けた事業所全体の評価結果の変化を把握)。 ケーススタディに関しては、デイサービスセンターA、介護老人保健施設B、介護老人福祉施設Cというように、更新を受けた事業を取り上げ、レーダーチャートグラフ(項目としては事業運営体制、契約、利用者本意のサービス提供、サービス内容・技術、危機管理、の5項目を設定した)を用いて評価結果の状況(自己・第三者・事業者に整理)変化を整理している。 本調査研究の主な成果(現状と課題)として次のような事柄がある。 1.利用者評価は、介護サービス提供組織がサンプリングした利用者に評価を依頼するため、介護サービス提供者にとって好意的な利用者を取り上げる可能性がある。 2.第三者評価は、チェックシートを用いた調査員による聞きとりが中心であるため、形式が揃っていれば高い評価となりやすい(実態理解は困難である)。 3.医療的ケアは医療法人の評価が高く、介護サービス中心の事業所では、会社が高い評価を得やすい。 4.デンマークでは、高齢者入所施設に市民が自由に出入できたため、開放的でサービスの透明性が向上している。
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