研究概要 |
平成18年度の研究実績報告としては、以下の点が挙げられる。 障害を持つ人々に対する権利侵害について当事者の視点からその実態を把握するため、日本全国の各障害者団体に依頼し承諾の得られた団体を通して、精神障害を持つ人々1,450名、知的障害を持つ人々2,000名、合計3,450名に対して郵送によるアンケート調査を実施した。実施期間は、2007年2月1日〜3月10日までとした。 精神障害を持つ人々に関しては、535名から有効回等が得られた(有効回収率36.9%)。 男性368名・女性162名・無回答5名で、平均年齢は42.6歳だった。「あなたはこれまで利用した機関で怒鳴られたことがありますか」という問に対し、「ある」と回答した場所として職場が19.7%、施設が7.1%、病院が8.5%となっていた。「殴られる」等の身体的虐待に関しては、職場が6.0%、施設が1.5%、病院が3.5%となっていた。その他の場所としては、「家庭」が多くあげられていた。「食事を無理やり食べさせられたりしたことがあるか」という問に対し、職場が0.9%、施設が0.8%、病院が5.1%となっていた。 知的障害を持つ人々に関しては、929名から有効回答が得られた(有効回収率46.5%)。男性553名・女性372名・無回答4名、平均年齢41.6歳だった。「怒鳴られたことがある」という問に対しては、職場が24.4%、施設が16.5%、病院が5.5%、学校が29.3%となっていた。また「身体的虐待」については、職場が12.2%、施設が14.0%、病院が0.9%、学校が23.9%となっていた。さらに「食事に関する権利侵害」については、職場が3.8%、施設が5.4%、病院が1.7%、学校が10.4%であった。 精神障害を持つ人々の権利侵害が「職場」で多いのに対し、知的障害を持つ人々に関しては「学校」が非常に高い割合を占めていた。
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