研究概要 |
18年度は、2つの調査研究を実施した。 1つは、介護保険改正直前の、特別養護老人ホーム職員のターミナルケア意識を明らかにするため,N県下の85施設に調査票を送り、55施設469名から回答を得た調査である。この結果は、73.3%の職員が入所者の死の看取りを経験していたが,看取った人数は5人以下が56.1%だった。また、55.7%の職員が施設における死の看取りに積極的に取り組みたいと考えていた。死の看取りに対する考えに関連する要因は,職種,年齢,看取り人数および職務経験年数,施設の立地場所だった。 2つ目は、F県とN県2つの県での、166名の「老人介護施設で働く看護師のターミナルケアのジレンマの調査研究である。ターミナルケア時の施設看護師のジレンマとしては、<施設のシステムや管理><他職種とのネットワーク><死の不安などの自分の能力>よりは、<本人家族のケアの難しさ>が一番の原因であった。 以上の2つの研究により、介護支援職への研修としては、ターミナルケアにおける「身体アセスメント」および「家族ケアの方法」が重点課題であることが、明らかとなった。
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