研究課題/領域番号 |
18530456
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
山井 理恵 明星大学, 人文学部, 准教授 (40320824)
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研究分担者 |
笹谷 春美 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00113564)
永田 志津子 札幌国際大学, 短期大学部, 教授 (60198330)
森川 美絵 国立保健医療科学院, 福祉サービス部, 研究員 (40325999)
山口 麻衣 ルーテル学院大学, 総合人間科学部, 講師 (30425342)
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キーワード | ケアリング / 介護保険 / 介護予防 / ケアマネジメント / ラヒホイタヤ / 高齢者ケア / フィンランド |
研究概要 |
平成20年度は、平成19年度に実施した財政破綻となったA市、都市部のB市デイサービス利用者調査、フィンランドの調査データを分析し、学会報告ならびに報告書作成を行った。A市の調査からは、(1)自治体のサービスが減少し、利用者の負担が増加していること、(2)若年層の人口流出にともない、ケアワーカーの人材が不足していること、(3)社会福祉協議会によるインフォーマルサポートの再構築が試みられ、それが新たな社会資源と成っていることが解明された。 B市デイサービス利用者調査からは、介護サービスの減少部分を家族の支援や自費でのサービス利用によってカバーしていること、介護予防プログラムの利用・継続に影響する要因として、本人が介護予防プログラムの効果を認識しているかがキーとなっていることが明らかになった。 フィンランドの行政機関や研究機関に対するヒアリングから、(1)フィンランドは公的なサービスが中心であったが、非営利団体や営利企業などもサービスの提供を行うケースが多くなっていること、(2)在宅で暮らす利用者の多様なニーズに対応するために、サービスの適切なコーディネーションが重要となっていることが示された。並行して実施したラヒホイタヤ(practical nurse)養成学校や職能団体のヒアリングデータを分析した結果、ラヒホイタヤの養成カリキュラムは、高齢者の介護だけではなく軽度の医療ケアや障害児を含む児童ケアなどの幅広いケアに関する科目が盛り込まれていること、そのため多様な領域での活動が可能な反面、役割や専門性の曖昧さが指摘されていることが明らかになった。
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