平成18年度は、18年9月、同年12月、19年3月の3回にわたり、ペトナムでの調査を実施した。18年9月には、ホーチミン市内の障害児学校・仏教系福祉施設で、ソーシャルワーカーの実情を調査した。次に、18年12月には、ホーチミン市内の2大学--ホーチミン市人文社会科学大学・ホーチミン市開放大学--、いずれもソーシャルワーカー養成学部・学科でのヒアリング調査を実施し、現在開始されているワーカー養成がどのようなカリキュラム・実習内容で行われているかの理解に努めた。あわせて、南北ベトナム分断期よりソーシャルワーカー養成に尽力してきたグウェン・チ・オアン氏にヒアリング調査を実施し、ワーカー養成の歴史について理解することができた。その際、研究代表者が発表した「ベトナムにおけるソーシャルワークの歴史と現状」(種智院大学仏教福祉学会編『仏教福祉学』第13号所収)が注目され、ホーチミン師範大学の日越共同室のホン・ガー氏が本論文の要約をベトナム語に翻訳された。 平成19年3月の調査では、フエ市内の障害児学校・仏教系施設などを調査し、中部都市の施設・学校とホーチミン市内の施設との相違について理解した。また、ハノイでは、労働・傷病兵・社会省立の労働社会大学でヒアリング調査を実施し、ホーチミン市内の大学でのワーカー養成とは異なるワーカーに対する理解がなされていることを了解した。
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