研究概要 |
本年度の成果としては,実験的研究によって,開示を受ける負担感に影響を及ぼす要因として,類似経験と応答とが交互作用をすることを明らかにした。つまり自分が開示者と同じような体験をしたことがあるか否かによって,どのような応答をするかが負担感を決めるというものである。この成果を,米国のアルバカーキにおいて開催された,The 9th Society for Personality and Social Psychologyにおいて発表した。また,本課題の副次的成果物である,プライミング効果に関する研究を,マレーシアで開催されたThe 7th Conference of the Asian Association of Social Psychologyにおいて,発表した。 さらに,自己カテゴリーとしては,自己をどのように解釈するのかという側面から検討を行った。昨年の研究において,受け手から見た,開示者と受け手との類似性を問題として検討したが,これに加えて,自己をどのように捉えるかも要因として加え実験を行った。集団的に自己をカテゴリー化する条件の人の方が,個人的に自己をカテゴリー化する条件の人よりも,負担感が大きいという仮説が支持された。この研究成果については,来年のThe 10th Society for Personality and Social Psychologyにおいて発表する予定である。
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