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2008 年度 実績報告書

感情管理方略としての自己カテゴリー化が開示を受ける負担感に及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 18530477
研究機関千葉大学

研究代表者

小口 孝司  千葉大学, 文学部, 准教授 (70221851)

キーワード自己開示 / 自己カテゴリー化 / 自己開示の受け手 / 負担感 / 感情管理
研究概要

自己開示を行うことによる精神的・身体的影響については数多くの研究がなされている。近年では,自己開示が受け手の精神的健康に及ぼす影響も注目されてきている。たとえば,Shortt & Pennebaker(1992)は,外傷経験を打ち明けられることで受け手にネガティヴな影響が生じる可能性を指摘している。また,ネガティヴな開示を受けることにより受け手に不安が生じることもある。つまり,自己開示をすることにより開示者は精神的健康を得られるが,その一方で開示の受け手は,精神的負担感(sense of load)が高まることがある。自己開示の受け手の精神的負担感に影響を及ぼす要因として,Batson, Early, & Salvarani(1997)は視点取得(perspective-taking)をあげている。彼らは,開示の受け手がラジオ番組のインタビュー(自己開示)を聴く場合,"自己視点"よりも,"客観的視点""他者視点"の方が,精神的負担感が低いことを明らかにしている。そこで平成20年度は,音声よりも現実に近い,カメラに向かってネガティヴな内容を開示している開示者の映像を用いて,視点取得が自己開示の受け手の精神的負担感に及ぼす影響を確認した。さらに,視点取得以外に負担感に影響を及ぼす要因として,受け手が開示に対してどのように応答するかという応答性,および開示者と受け手がどの程度似ているかの類似性を取り上げて,あわせて検討した。類似性を用いることによって、自己と,他者とをどのようにカテゴリーしているのかをみることができる。分析の結果、アルバイト場面,恋愛場面ともに,自己視点よりも客観的視点で開示を受けると精神的負担感が低いことが確認された。類似相談経験があったり,開示に応答を行なう必要があったりすると,精神的負担感が高くなることが示唆された。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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