研究概要 |
中小企業を含めた約200社にアンケート調査を行い,79社より回答を得た。アンケートは立案、印刷の後,各企業の労務担当者(総務部人事課が主)に返信用封筒同封の上,郵送した。具体的には精神疾患による休職者数,休職率,休職日数,メンタルヘルスについての取り組みおよび私傷病による休職が各社の就業規則においてどのように位置づけられているかを調査した。その結果,復職に際し精神科医が発行する診断書どおりに復職させている企業,精神科医の診断書をもとに産業医が復職判定を行っている企業,復職判定委員会を設置し委員会にかけて復職判定を行っている企業等,復職のありかたもさまざまであった。回収したアンケートをパソコンにてデータ入力および解析した結果,以下に記す実態が明らかになった。 規模別では,従業員数は100〜299人の企業が43%と最も多く,次いで300〜499人が16%,500〜999人の企業が15%であった。休職者の年齢は30〜39歳が38%と最も多く,次いで29歳以下,40〜49歳の順であった。休職日数は121〜180日の者が21%と最も多く,次いで31〜60日,181〜365日の順であった。なお復職判定委員会を設けている企業は79社中12社であった。また,リハビリ出社を認めている企業は20社あったが,その旨を就業規則に定めている企業は6社しかなかった。 なお,調査・研究結果は協力してくれた企業にフィードバックし,各企業のメンタルヘルス活動に役立てることとした。
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