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2006 年度 実績報告書

「甘え」の意味と通文化的普遍性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530479
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

山口 勧  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80134427)

研究分担者 森尾 博昭  札幌大学, 経営学部, 准教授 (80361559)
キーワード甘え / 概念達成
研究概要

われわれは甘えには、1.その人物の年齢、社会的地位、および置かれた状況などから見て不適切と観察者が判断する行動や依頼、という側面と、2.その行動や依頼を許容してもらえるという行為者が期待していると判断されること、という二つの側面があると考えた。このことを確認するために、以下の四つの条件のシーンをビデオに撮影し、被験者に提示した。(1)甘え条件-この条件では、ある人物が不適切な行動あるいは依頼を行い、それを相手に許容してもらえるものと期待していることを示す内容が収録されていた。(2)期待なし条件-この条件では、ある人物が不適切な行動あるいは依頼を行ってはいるが、相手に許容してもらうことを期待していないことを示す内容であった。(3)適切条件-この条件では、ある人物が適切な行動あるいは依頼を行っていることを示す内容であった。(4)コントロール条件-この条件では、ある人物が不適切と考えられる依頼を行っているが、それを許容してもらえることを期待しているか否かに関する情報が含まれていなかった。なお、それぞれの条件には6種類のビデオがあった。大学生の被験者は、上記の四つの条件の一つにランダムに振り分けられ、この研究が甘えに関するものであることは告げられずに、一つのビデオを見るごとに、ビデオに収録されている内容にふさわしい言葉を書くように言われた。これは概念達成の実験であり、「甘え」という概念に到達すれば正解とした。これは実験者の側から被験者に「甘え」という言葉を連想させることは一切せずに、自発的に「甘え」という概念に到達できるかどうかを見たものである。その結果、われわれが「甘え」と想定した条件で、もっとも被験者が「甘え」という概念に到達することが確認された。さらに、同じビデオを韓国人の複数の専門家に提示し、韓国文化においても「甘え」条件がもっとも「甘え」に近く認知されることが確認された。

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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