研究概要 |
個人主義や集団主義の程度が異なる国について、日本とカナダの比較を中心に成員分布の認知を調べた。その結果、カナダよりも日本において集団サイズと好ましい成員の比率は連動することがわかった。また、引き続き児童を対象に,集団認知の違いを調べた。特に,集団への適応度が高くない児童について,高い児童と対比した。その結果、集団への適合度が高い児童の方が、魚や人間が動くコンピュータグラフィックスを見たときの反応が、対象の人物や魚について集団適合的に記述する傾向が見られた。また,少数派集団は多数派集団をどのように見ているか,逆に,多数派集団は少数派集団をどのように見ているか,少数派と多数派はどのような関係だと思うか,についてもプロトコルをとり,集団の実体性の程度の評定値が,少数派集団のサイズが大きくなるのに応じて,高くなるかどうかを検討した。プロトコルの内容を肯定的,否定的,中立的の3通りに分け,さらにそれぞれを外集団志向型の反応と内集団志向型の反応に分けた。このとき,条件間でどのような違いがあるかについて,自由記述の分析ソフトも使用し,検討した。 以上の内容を,個人主義傾向が高い参加者と,集団主義傾向が高い参加者別,児童の場合は適応度別にも検討した。不登校傾向が強い児童の場合は,孤立した魚を見たときにネガティブな反応をする傾向が見られた。
|