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2008 年度 実績報告書

自己と他者の特性概念間の認知的リンクに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530481
研究機関新潟大学

研究代表者

福島 治  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40289723)

キーワード自己表象 / 他者表象 / 社会的認知 / 特性情報 / 特性判断 / 自己認知 / 自己概念 / 対人関係
研究概要

本研究の目的は、自己と他者の特性概念間の認知的リンクを明らかにすることであった。人々は異なる他者との間では異なる相互作用を展開することから、自己の特性概念は、他者を条件として相互に独立的なサブセットを構成すると仮定し、他者を条件とした自己の特性概念は、他の他者ではなくて、その他者の特性概念の使用によって利用可能性が高まることの検証を試みた。
今年度の実験では、他者(例:父)について特性語(例:神経質な)のあてはまりを判断した後には、同じ他者について事物(例:手帳)との関連性を判断した後よりも、この他者を条件とした自己(例:父といる自分)に関する特性判断が促進された。特定の他者の特性情報の利用が、同じ他者の別の情報に比べて、その他者を条件とした自己の特性情報の利用を促進することは、当該特性情報間にユニークな認知的なリンクがあることを示唆している。さらに、後者の特性判断で用いられた特性語は最初の判断に用いられた特性語と異なるものであったことから、昨年度までの成果としてみられたように、同じ特性語を媒介として自己と他者がリンクしているだけでなく、他者の特性情報の集合とその他者を条件とした自己の特性情報の集合とが関連付けられていることを示唆している。
自己の成立には他者の存在が不可欠であるといわれてきた。もしそうであるならば、自己に関する知識は、他者に関する知識と密な連絡網がなければならない。その連絡網に関する証拠はながらく示されていなかったが、近年は理論の発展と実験法の進展もあって内外でその証拠が集まってきた。本研究の成果も、その1つであるといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 自己と他者に関する特性情報間の認知的リンク2008

    • 著者名/発表者名
      福島治
    • 学会等名
      日本社会心理学会第49回大会
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      2008-11-03
  • [学会発表] 自己表象と他者表象の連合 : 他者に関する判断が自己の特性判断の反応時間に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      福島治
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-09-21
  • [学会発表] Cognitive linkage between trait information about self and other.2008

    • 著者名/発表者名
      Fukushima, O.
    • 学会等名
      XXIX International Conference of Psychology
    • 発表場所
      International Congress Centrum, Berlin, Germany.
    • 年月日
      2008-07-24

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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