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2006 年度 実績報告書

受験圧と学習方略の発達的変化と相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530501
研究種目

基盤研究(C)

研究機関宮城教育大学

研究代表者

平 真木夫  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50312690)

キーワード学力低下 / 学習目的 / 学習方略 / センター試験
研究概要

日本のセンター試験に相当するGCEのA-Level Mathの中から、順列・組合せ、三角比、ベクトルの問題を抽出し、課題とした。日本人大学生(JPN)48名とシンガポール人大学生(SNG)20名が被験者として参加し、実際にこれらの問題を解答するように求めた。
各被験者はそれぞれの問題(単元)の、(1)高校時の学力、(2)現在の学力、(3)努力率、(4)典型性、(5)当時感じた目的の明確さを評定した。現在の学力は、高校時の学力に対してどれだけ解けるようになったのか(解けなくなったのか)を評定する項目である。努力率とは、その他の教科の勉強を含めて、どの程度その単元に力を入れて勉強したかを評定する項目である。なお、SNGで理系を志望する高校生には、応用数学として物理の力学分野が必須科目として課せられている。
一般の文系学生にとって、数学の典型的な学習方法とは、問題集をひたすら繰り返し解くことであり、これと平行して公式を暗記していく作業が行われる。しかし、公式の意味を理解した上での記憶ではないので、三角比やベクトルのように公式の利用を前提とした問題ではほとんど手が出ない状況になりやすいようである。それに対して、順列・組合せのようないわゆる「計算問題」は中学までの延長線上にあるため、比較的容易に解くことができる。JPNの現在の学力に対して、高校時の学力、努力率、目的の明確さを説明変数に重回帰分析をしたところ、努力率の寄与度は低く、極端な場合には有意な負の値を示した。つまり、極端に書くと、「積極的に勉強した内容ほど忘れやすく、学力低下も著しい」という逆説的な結果となっており、学力の形成と保持に関して深刻な問題が存在していることも予想される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 大学生の学力形成とその後の変化〜日本・シンガポールの比較を通じて2006

    • 著者名/発表者名
      平真木夫, Leong Chan Hoon
    • 雑誌名

      第50回日本教育心理学会発表要旨集 50

      ページ: 72

  • [雑誌論文] The role of cramming for examinations and its impact on the use of learning strategies2006

    • 著者名/発表者名
      Makio TAIRA
    • 雑誌名

      Proceeding of International Conference on Child Development in Family, School and Cultural Contexts

      ページ: 36

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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