研究課題
本研究の目的は以下である。(1) 広汎性発達障害を中心とする発達障害児の知識構造と、その発達的変化について調べる(2) 統合失調症患者における知識構造衰退の要因について、発達障害児との比較により考察する。上記の目的について、平成21年3月までに以下の事項を明らかにした。(1) 広汎性発達障害、注意欠陥他動性障害児を中心に、VFTを含む認知機能検査課題のデータを収集した。(2) VFTデータを分析し、CFTとLFTの遂行パタンが健常児と異なることを明らかにした。さらにCFT発話における意味まとまり数や大きさが、広汎性発達障害児と注意欠陥他動性障害児では異なる可能性を見出した。(3) 高次認知機能と関わる言語表現(全称量化表現)の理解'の発達が遅れることを見出した。(4) ウィスコンシンカード分類課題及び単語記憶課題を用いて、発達障害者とその同胞において、記憶の体制化能力が脆弱であることを明らかにした。(5) 非定型抗精神病薬により一定期間治療を受けた統合失調症患者のVFTデータの収集と整理を行った。(6) 日・米・トルコ語話者のVFTデータを分析し、LFTの障害度が書記言語により異なることを明らかにしだ。これらの研究により、発達障害児の知識構造とその発達的変化の様相を把握しつつあるとともに、統合失調症患者における知識構造衰退の要因について基礎的事実を得つつある。
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Psychiatry Research 167
ページ: 47-57
脳と精神の医学 18
ページ: 61-72