研究概要 |
本研究は,日本の学校,地域社会の成員の異文化受容のスタンスを分析し,彼らの異文化受容を規定している心理的要因を探り,社会的力学の視点から外国人子女とその家族との異文化共生の実践的オプションを提案するものである。 19年度は,日本においては,小・中・高等学校教員を対象に実施した質問紙調査から,教師のもつ異文化受容のスタンスを規定する要因を探った。また,外国人受入れに伴う地域住民の認知のあり方,それに伴う感情,接触のあり方などについて面接調査を継続し,地域住民の異文化受容のスタンスを規定する要因を検討した。加えて,アメリカハワイ州において,コミュニティにおける移民とその子弟の受け入れのあり方を探るとともに,外国人子女教育のあり方を探るべく,学校での訪問調査を継続した。アメリカでの調査は,日本型多文化主義の可能性を提案する上で参照とする目的で実施した。 その結果をもとに,学校を含めた地域社会が自らの異文化間トレランスを育み,外国人子女その家族との異文化共生を実践していくための実践的オプションを提案するとともに,日本型多文化主義の構築へ向けた考察をした。
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