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2006 年度 実績報告書

絵本における言語表現に関する日米比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530515
研究種目

基盤研究(C)

研究機関島根大学

研究代表者

村瀬 俊樹  島根大学, 法文学部, 教授 (70210036)

キーワード絵本 / 内容分析 / 擬人化 / 日米比較 / 存在論的カテゴリー / 生物概念 / 共感性 / 育児語
研究概要

1歳半健診を受診した子どもの養育者148名に対して、育児語の使用傾向(人称接尾辞の使用・音の繰り返し)とことばかけについての信念、望ましい子ども像について、質問紙による調査を行った。分析対象となったのは62名であった。人称接尾辞の使用、音の繰り返し傾向とも、ことばかけについての信念における共感的ことばかけ志向の高さと正の相関があった。また、共感的ことばかけ志向は望ましい子ども像における相互協調性志向と正の相関があった。また、音の繰り返し傾向は、ことばかけについての信念における同一視的教示志向とも正の相関があった。
公共図書館のブックリストにおいて、3歳未満児向けとして推薦されている日本の絵本153冊、米国の絵本174冊を抽出し、絵本の絵・文章における擬人化について日米間の比較を行った。存在論的に区別される人間以外の動物、植物、無生物について、擬人化が行われている絵本の割合を調べた。全絵本の比較においては日米間に有意な差は認められなかった。しかし、米国の絵本においては、植物や無生物の擬人化は、ほぼナースリーライム集の絵本に限られていたため、ナースリーライム集の絵本とそれ以外の絵本に分けて分析を行ったところ、ナースリーライム以外の絵本では、動物、植物、無生物とも日本の絵本の方が米国絵本よりも擬人化されている絵本の割合が高かった。年少児用の絵本と年長児用の絵本では、大きな違いはなかった。ナースリーライム集以外の絵本における擬人化された絵本の割合が日本の方が高いことについて、育児語の使用と同様に、日本文化においては乳児に対して共感的に関わることが志向されていることとの関係が考察された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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