研究概要 |
本年度は,昨年度開発したキャリア意識尺度を使用して,以下の研究を実施した。 1.大学生のキャリア意識尺度を開発し,キャリア意識とアイデンティティ形成との関連を検討した。その結果,大学生でもキャリア意識尺度が一定の信頼性と基準関連妥当性を備えた尺度であること,またキャリア意識が高い大学生ほどアイデンテイティ形成が発達していることが明らかになった。この研究成果は現在,日本教育心理学会の学会誌に投稿・再審査中である。 2.高校1年生,2年生,3年生計704名を対象にキャリア意識尺度を実施し,高校生のキャリア意識の発達に関連する要因を検討した。その結果,進路選択に対する親からのサポートが高いほど,キャリア意識は高く,アイデンティティ形成も発達していることが明らかになった。この研究成果の一部は国際誌(Journal of Career Development)に現在投稿し,再審査中である。また,主要データは2008年3月21日に日本発達心理学会第19回大会において発表する。 3.職場体験学習等のキャリア教育を実践している中学校の協力を得て,中学2年生を対象に,職場体験学習の経験前と経験後にキャリア意識尺度を実施し,職場体験学習の体験によるキャリア意識の変化を検討した。この研究成果の一部はすでに論文化され印刷中である。現在分析中のデータも含めて,次年度には研究論文として学会誌に投稿する予定である。 4.小学校の4年〜6年,中学校の1年〜3年および高校の1年〜3年の約1500名を対象にキャリア意識と学校適応の関連を発達的に検討した。この研究データは現在分析中であるが,この研究成果の一部は2008年7月にベルリンで開催される国際学会(XXIX International Congress of Psychology)で発表する予定である。
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