研究課題/領域番号 |
18530531
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉江 征 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70222049)
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研究分担者 |
小玉 正博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00114075)
久賀 圭祐 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (60241816)
松井 めぐみ 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (60400652)
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キーワード | 自律訓練法 / 自律神経機能 / 不整脈 / 治療効果 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、健常者と心臓疾患患者を対象に自律訓練法を実施し、練習中の自律神経機能指標の変化を検討した。研究1では、7名の健常者を対象に自律訓練法練習中の自律神経機能の評価を行った。指導は、標準練習の第二公式まで行った。指導期間は約3か月間(1〜2週間に一回の間隔)であった。ホルター心電計を用いて練習中の心拍を記録し、自律神経機能(ローレンツ・プロット)の評価を行った。その結果、個々の指導時においては、交感神経系と副交感神経系の活動性にバラつきもみられたが、指導が進むにつれて相対的に副交感優位な自律性状態のパターンもみられるようになった。練習期間を通じた自律神経機能指標の変化から、被験者の修得状況の評価ができるとこがある程度示された。研究2では、7名の不整脈の患者を対象に、自律訓練法の長期的な治療効果の検討を行った。指導は、月に1回の外来受診時に個別に行った。結果は、約3カ月程度で不整脈の発作が無くなったかあるいはかなり減少し著効を示した患者が3名(全練習期間が14カ月の患者が1名、約7カ月の患者が2名)、約11カ月間実施して効果が認められなかった患者が1名、もともと発作は少なかったため発作についての効果は不明であったが約5カ月間の練習で発作以外の効果を報告した患者が1名、約2カ月でドロップアウトした患者が2名であった。発作について効果が認められた患者は全員、毎日定期的に練習し練習が生活の一部になっていた。さらに、発作以外にも、生活全般で行動面や心理面の変化が報告されていた。また、24時間のホルター心電計での検査で自律神経機能の改善のみられた患者もいた。逆に、効果の認あられなかった患者の場合には、日常生活での練習の頻度も少なく、練習中の心地よさやリラックス感なども体験できていなかった。個々の指導時の自律神経機能の評価は、おおよそ健常者と同様の結果であった。
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