研究概要 |
時間知覚を測るために時間般化課題および時間二分課題を作成した。 時間般化課題では、時間間隔は500Hzの純音(以下同様)の長さによって提示する.音の長さは,標準時間間隔(500ms)と,その他の時間間隔(100,200,300,400,600,700,800ms)を設ける.第1段階で,標準時間間隔を被験者に数回提示し,記憶させる.その後,第2段階(練習試行)では標準時間間隔だけでなくその他の時間間隔も混ぜて,いくつかの異なる長さの音を提示する.被験者には,音の長さが第1段階で覚えた音の長さ(標準時間間隔)と同じであると思えば「はい」のボタン,異なると思えば「いいえ」のボタンを押す反応を求める.第3段階は本試行であり,練習試行と同じように音の長さの判断課題を遂行させる. 時間二分課題では、標準時間間隔を2つ(短い時間:200ms,長い時間800ms)と,その他の時間間隔(300,400,500,600,700ms)を設ける.第1段階で,2つの標準時間間隔を被験者に数回ずつ提示し,その2つの時間間隔を記憶させる.その後,第2段階(練習試行)では標準時間間隔だけでなくその他の時間間隔も交えて,いくつかの異なる長さの音を提示する.被験者は,音の長さが第1段階で覚えた短い方の音の長さ(200ms)と似ていると思えば「短い」というボタンを,長い方の音の長さ(800ms)と似ていると思えば「長い」というボタンを押すことが求められる.第3段階は本試行であり,練習試行と同じ様に,音の長さが短い方と長い方のどちらに似ているかの判断を続ける. これらの課題を大学生を被験者として実施した。時間般化課題の結果から、大学生では標準時間間隔より長い時間間隔は、短い時間間隔よりも「同じ」と反応する割合が大きくなる、つまり右に非対称となる特徴があることや、標準時間間隔での割合が、先行研究と一貫していることがわかった。本実験で作成した時間知覚課題によるデータは、妥当性が検証できた。 時間二分課題では、大学生の結果から算出した二分点は、提示時間の相乗平均の近くに位置することがわかった。これも、同様の結果が示されている先行研究はある。しかし、一貫して見られている傾向ではないことから、さらに検討していく必要があることがわかった。
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