• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

対人不安における情報の利用可能性と認知バイアスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530536
研究機関広島大学

研究代表者

生和 秀敏  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 大学院・総合科学研究科 (90034579)

研究分担者 岩永 誠  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40203393)
藤原 裕弥  東亜大学, 総合人間・文化学部, 講師 (20368822)
金井 嘉宏  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 助教 (60432689)
キーワード対人不安 / 自己注目 / 内的情報 / 外的情報 / 認知バイアス / 処理リソース
研究概要

H19年度は,対人不安者の自己注目とパフォーマンスの関係について,会話場面を用いた検討を行った。
対人不安者は,対人状況におかれると,自己のネガティブな考えや生理的変化に注意を向ける自己注目が生じやすく,うまく会話が行えないというパフォーマンス低下を示す。この両者の関係は,処理リソースの観点から説明することができる。自分に関係する内的情報に注意が向けられること(自己注目)で,処理リソースを内的情報が占有するため,外的情報の処理に必要なリソースが減少することになり,結果的にパフォーマンスの低下を引き起こすと考えられる。この点を検討するためには,注意を内的・外的情報に向けるという操作を行うことで,処理リソースを必要とする課題の成績に影響が出るかを調べればよい。そこで本研究では,「ゴミ問題」というテーマのもと,初対面の人と会話をしてもらうという状況を設定し,注意を内的情報・外的情報に向けさせる教示と操作を行い,注意の方向やストレス反応,会話量に及ぼす影響を検討した。その結果,対人不安定群は,注意操作に従って内的・外的情報に注意を向けることができること,外的情報に注意を向けることで自発的会話数が増えることがわかった。それに対して対人不安高群は,注意操作に関係なく,内的情報と外的情報に向けられる注意の主観的評価に違いは認められなかった。しかも,自発的な会話数にも違いは認められなかった。このように,対人不安高群は,外的情報に注意を向けるよう促しても自己注目をしやすく,それが処理リソースを占有し,パフォーマンスの低下と結びついていると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 不安と抑うつにおける認知バイアスに関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      藤原 裕弥
    • 雑誌名

      行動療法研究 33

      ページ: 145-155

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会不安障害傾向者と対人恐怖症傾向者における他者のあいまいな行動に対する解釈バイアス2007

    • 著者名/発表者名
      金井嘉宏
    • 雑誌名

      行動療法研究 33

      ページ: 97-110

    • 査読あり
  • [学会発表] 社会不安のサブタイプと生理的反応に対する認知の歪みの関係2007

    • 著者名/発表者名
      金井嘉宏
    • 学会等名
      日本行動療法学会第33回大会
    • 発表場所
      兵庫教育大学(神戸)
    • 年月日
      2007-11-30
  • [学会発表] 社会不安障害の記憶構造に関する検討 -記憶構造の顕在的連合・潜在的連合と不安反応の関連-2007

    • 著者名/発表者名
      佐々木晶子
    • 学会等名
      日本行動療法学会第33回大会
    • 発表場所
      兵庫教育大学(神戸)
    • 年月日
      2007-11-30
  • [学会発表] 大学生の洗浄強迫傾向における潜在的連合に関する検討 -不安状態における潜在的連合の活性化について-2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤文彦
    • 学会等名
      日本行動療法学会第33回大会
    • 発表場所
      兵庫教育大学(神戸)
    • 年月日
      2007-11-30

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi