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2008 年度 実績報告書

対人不安における情報の利用可能性と認知バイアスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18530536
研究機関広島大学

研究代表者

生和 秀敏  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 名誉教授 (90034579)

研究分担者 岩永 誠  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40203393)
金井 嘉弘  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 助教 (60432689)
キーワード対人不安 / 自己注目 / 内的処理 / 外的情報 / 認知バイアス / 処理リソース
研究概要

社会不安者は,社会的状況で自己注目をするために処理リソースが減少し,情報処理が阻害されると考えられる。そのため,外的情報の否定的な側面に偏って取り入れてしまう注意バイアスが生じることが指摘されてきた。社会的相互作用場面では,他者と会話することや人前でスピーチをすることが多いため,話をすることの処理に相当なリソースが必要となるのである。しかし,社会不安者は自己注目や他者の反応へ注意を向けやすいことから,話をするための処理リソースが限られる。これまで検討の中心であったスピーチに比べ会話は,相手に注意を向け,相手の話した内容にあわせて受け答えをしなければならないことから,必要とされる処理容量は多くなると考えられる。そのため,社会不安者の会話量は少なく,認知の歪みと関連していると考えられる。
平成20年度は,会話場面をストレス場面として用い,実験協力者の促しが会話量や不安,他者の動作に与える影響について検討することとした。協力者には,訓練された異性の大学院生を用い,15分の会話を行わせた。会話の前半5分で実験操作を行い,協力者が会話を促す条件と促さない条件を設けた。後半の10分間は,促し量を同程度とし,その時の会話量や相手への印象を測定した。その結果,主観的な不安は促しに関係なく低減するものの,生理的覚醒は促し高条件で低減することがわかった。高不安者は,促し高条件で自発的発言が増加する傾向が認められた。実験協力者の示す動作に対する評価は,ポジティブ動作に社会不安高・低の違いは認められなかったが,ネガティブ動作に対しては社会不安高群で否定的な評価をすることが示された。これらの結果から,社会不安者にとって会話の促しは,自発的発言につながるものの,相手の動作に対する認知的歪みの修整には至っていないことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Negative interpretation of bodily sensations in social anxiety.

    • 著者名/発表者名
      Kanai, Y.
    • 雑誌名

      International Journal of Cognitive Therapy (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 大学生の洗浄強迫傾向における潜在的連合に関する検討-強迫状態が潜在的連合に及ぼす影響-2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤文彦
    • 学会等名
      日本認知療法学会第8回大会
    • 発表場所
      日本教育会館
    • 年月日
      2008-11-03
  • [学会発表] 社会不安の記憶構造と不安反応の関連2008

    • 著者名/発表者名
      佐々木晶子
    • 学会等名
      日本認知療法学会第8回大会
    • 発表場所
      日本教育会館
    • 年月日
      2008-11-03
  • [学会発表] 社会不安者の自己・他者に対する潜在的評価と不安反応の関連2008

    • 著者名/発表者名
      佐々木晶子
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-09-19
  • [学会発表] 社会不安者に対するビデオフィードバックと他者からのフィードバックの併用効果2008

    • 著者名/発表者名
      金井嘉宏
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-09-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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