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2007 年度 実績報告書

慢性疼痛患者に対するマインドフルネスに基づく集団認知行動プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18530538
研究機関琉球大学

研究代表者

伊藤 義徳  琉球大学, 教育学部, 准教授 (40367082)

研究分担者 赤嶺 智教  琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (40437984)
キーワードマインドフルネス / 認知的再評価 / 概念的反すう / 経験的反すう / コールドプレッサー課題 / 腑に落ちる理解 / 情動処理 / メカニズム
研究概要

本年度は、マインドフルネスの概念を明らかにし、効果的な介入を行うための資料を収集するため、二つの実験研究を実施した。第1の研究は、マインドフルネスのメカニズムに関するWatkins(2004)の研究の追試を行った。最近ネガティブな経験をした大学生13名を対象に、概念的反すうと経験的反すうを誘導する群を設定した。各群とも自身のネガティブ経験について20分×3回(1日1回)の筆記を行うことで,反すうを誘導した。そして、こうした反すうの質の違いが、気分の持続に及ぼす影響を検討した。その結果、専攻研究と同様の結果は見られず、群にかかわらず気分の軽減が認められた。被験者の数、筆記内容の誘導の教示について更なる検討が必要であるといえた。
第2の研究は、教示に対する「納得」の程度が介入の効果に大きく影響することを実証するため、教示に対する「納得」の程度が痛み耐性に及ぼす効果を検討した。22名の大学生を対象に、2度のコールドプレッサー課題を行った。無教示で課題を行った後で、このコールドプレッサー課題が、実は健康に非常に有効であるといううその教示を行い、2度目の課題を行わせた。課題終了後、実験はこれで終了という偽の合図を出したうえで、実験者は親密な雰囲気を作り出し、その雰囲気の中で、「ぶっちゃけ」先ほどの教示を信じていたか、納得していたか、といった点に関する4つの質問を行った。この質問の回答から事後的に被験者を「納得していた人」と「納得していなかった人」に分けて1回目から2回目にかけての苦痛耐性時間を比較したところ、「納得していた人」の群がそうでない群と比較して有意に耐性時間が長いことが示された。また、主観的な苦痛も前者では少なく、むしろポジティブな感覚を多く抱いていたことが明らかとなった。
Gross(1998)の指摘にあるように、認知的再評価を促す教示が、プログラムの開発に不可欠であることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] マインドフルネスに基づく認知行動療法を学級集団活動に適用した事例-バリデーティングを中心に-2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤義徳
    • 学会等名
      日本カウンセリング学会第40回大会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      20071123-25
  • [学会発表] Mechanisms of mindfulness: Which is more active component, willingness or creative hopelessness?2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori, Ito
    • 学会等名
      5th World Congress of Behavioural and Cognitive Therapies
    • 発表場所
      Barcelona, Spain
    • 年月日
      20070711-14
  • [図書] 現代の心理療法と瞑想研究:認知行動療法における新たな展開 (スピリチュアリティの心理学)2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤義徳
    • 総ページ数
      213-225
    • 出版者
      せせらぎ出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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