本研究では、第1に、初診時、確定診断後、手術、化学療法などの治療といった一連の経過のなかで、がん患者とその家族の心理的ストレスについて調べ、そのリスク因子(感情抑制、特性不安、個人属性)について質的および量的に検討する。特に、がん患者の会話内容と性格傾向との関連について調べ、がん患者の心理反応について詳細に検討する。また、副作用の強い化学療法をとりあげ、化学療法前後の神経心理学的検査も実施し、認知機能についても調べる。 第2に、緩和ケア病棟に入転院する患者や家族が抱える心理的ストレスについても調べ、終末期のあり方についても検討する。 以上により、心理的ストレスの軽減に向けた、がん患者や家族に対する心理的介入方法を提案する。
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