研究概要 |
本研究では,記憶負荷をともなうビジランス多重課題中における瞬目活動を測定することにより,自発性瞬目が信号見落としや疲労などの指標として妥当かどうかを検討した.本年度は,旧システムを新システムに交換するために,刺激呈示システム・瞬目検出システム・瞬目解析システムの開発について検討を行い,実験によりそれらのシステムの評価を行った. 刺激呈示システム コンピュータの画面上に,連続的に刺激を呈示でき反応時間も計測できるシステムを開発した.その結果,適切な動作が確認された(早見,2006). 画像処理による瞬目検出システム 画像処理により瞬目を検出するシステムの開発を行った。被験者の眼周辺をビデオカメラで撮影した映像をAvi形式の動画ファイルとして読み込み、画像に対して領域設定、RGB分解、2値化処理などを行って上瞼と下瞼の距離を測定し、瞬目を検出するシステムを開発した. 瞬目解析システム これまでの瞬目計測システムの制御装置(松尾・福田,1997)はN88-Basicを記述言語とする計算機プログラムで作成されているので,現在市販されている計算機でこのプログラムを動作させることはできない.そこでWindows XPをOSとするDOS/Vアーキテクチャの計算機に置き換えるための調査を行った.その結果,GPIB通信によってWindows XP上で瞬目信号の記録が可能であることを確認した. システム評価 旧システムと新システムを用いて,刺激の見落とし(ミス)と瞬目発生との関係について検討を行った(Fukuda, 2006;福田・早見・志堂寺・松尾,2006).その結果,瞬目は非侵襲的な記録が可能なので,さらに実験をすすめていくことで,自動車運転への集中度などを測定する客観的な指標として使えることが期待された(福田・早見・志堂寺・松尾,2007).今年度はさらにシステムを実用化させ,実験を重ねていく必要がある.
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